働き方2026.03.02

スマホから開発を進める仕組みづくり――場所に縛られない働き方を試す

株式会社Bizmarq

Bizmarq Media
働き方

普段はフルリモートで働いていると、たまの移動時間が惜しく感じられることがあります。通勤の電車に乗っているあいだも、できれば手を止めたくない。そんな発想から私たちが試してみたのが、スマートフォンから開発作業を進める仕組みです。結論から言えば、想像していた以上に日常へ溶け込みました。ここではその構成と、実際に使って見えてきた手応えと限界を共有します。

スマホからAIコーディングツールを動かす

土台にしているのは、AnthropicのAIコーディングツール「Claude Code」です。ターミナル上で動作し、コードの記述、ファイルの編集、gitの操作まで、かなり広い範囲の作業を任せられます。

ただし基本はPCのターミナルで使うもので、そのままではスマホから触れません。そこで併用しているのが、PCで起動しているClaude Codeへスマホのブラウザからアクセスし、指示を出せるようにするサービスです。この2つを組み合わせることで、手元にあるのがスマホ一台でも作業を継続できる状態が整います。

スマホで実際にできること

「スマホでコーディング」と聞くと半信半疑になるかもしれません。私たち自身も最初はそうでした。しかし、実際に任せられる範囲は思っていたより広いものでした。

  • 開発全般 — 機能追加やバグ修正の方針を伝え、コードの記述をAIに任せる
  • ステージング環境の動作確認 — スマホのブラウザでステージングを開き、実装した機能が意図どおり動くかを確認する
  • 記事や文書の執筆 — 落ち着いた文章もスマホから書き進められる
  • タスク管理 — 思いついたタスクをその場で登録し、抜け漏れを防ぐ

ポイントは、自分の手で一行ずつコードを書くのではなく、「これをやってほしい」と意図を伝え、AIに実装してもらう点にあります。作業の主体が「手を動かすこと」から「判断して指示すること」へ移るからこそ、スマホという小さな画面でも成り立つのです。

使う場面

  • 移動中 — もともとのきっかけになった場面です
  • 就寝前の時間 — 横になったまま、その日の続きに軽く手を入れられる
  • PCの前 — 意外に思われますが、文章を書くときはPCの前にいてもスマホを使うことがあります。フリック入力のほうが速く進む場面があるためです

場所や姿勢を選ばずに作業へ入れることが、この構成のいちばんの価値だと感じています。

割り切りが必要なところ

一方で、限界もはっきりしています。もっとも不便なのは、コードの差分をその場で直接確認しづらいことです。PCであればエディタで変更内容を見比べ、ローカルで動作を確かめられます。スマホではそれが難しく、AIが出力するログを読んで判断する比重が高くなります。

そのため、ステージング環境が用意されていないプロジェクトや、本番へ直接影響するような変更を、スマホだけで完結させるのは現実的ではありません。あくまで「確認の逃げ道がある範囲」で使うのが前提です。速度の面でもPCには及びませんし、タスク管理ボードのような情報量の多い画面は小さな端末では見づらくなります。操作性そのものはPCに軍配が上がります。

それでも、横になったまま作業に入れる手軽さは代えがたいものがあります。「劇的に便利」という瞬間があるわけではなく、ただ静かにずっと便利で、気づけば日常に馴染んでいる。そういう性質の変化でした。

次に目指すこと

現在の構成では、PCが起動していなければスマホから接続できません。PCを閉じれば作業も止まります。この制約を外すために私たちが検討しているのが、クラウド上のVMにClaude Codeを常駐させる方式です。EC2やVPSにセットアップしておけば、手元のPCの電源に左右されず、いつでもスマホからアクセスできます。

そうなればPCは完全にオプションになり、どこにいても開発を続けられる環境が手に入ります。

制約が外れた先に

開発作業から「場所」と「姿勢」の制約が外れつつあります。移動中でも、就寝前でも、PCを開かなくても手を動かせる。これが当たり前になったとき、働き方そのものがどう変わるのかは、まだ見えていません。ただ、確かに何かが動き出す予感があります。

私たちはこのスタイルをしばらく続け、得られた知見を改めて共有していく予定です。ツールに合わせて働き方を縛るのではなく、働き方に合わせて仕組みを組み替えていく。その積み重ねが、場所に縛られない開発を現実にしていくと考えています。